Sep 23 1971
1971.9.23
山崎省三様
昨夜は、お電話有難うございました。あの時は、たまたま、プカプカとマリファナを吸っていましたので、(たまにしか、吸わないのですが)頭がボヤーとしていて、せっかくのお電話に間の抜けたご返事しかしなかったように思います。
川島さんとお会いになったとの事、出来たら、僕も一緒に呑みたかったところです。彼は日本で大成功の模様、奥さんから、週刊誌など見せてもらい本当に良かったと思っています。
原稿のお話し、円の切上げの影響は、この國の美術界では、ほとんどないようです。今日、日本人作家を多くあつかっている、サンフランシスコの画廊(トライアングル ギャラリー)に電話で聞いて見ましたが、別にほとんど影響ないとの事でした。
A.A.A(プリントで一番大きな画廊)は廣重でオープンしましたが、賣行きは おもわしくないと言ったうわさを聞きましたので、これは 友人に調べてもらう事にしました。円との関係と言ふ事まではないにしても、日本と関係したものですので、・・・
今、晝間働いていますし、日々が非常に少ないので、どの程度までインタビュー出来るか、やって見ないとわかりません。
土曜日がアンドレ エミリッヒ、ドワン、キャステリィ、でダウンタウンに買ったビル、一せいにオープニングです。ドワンはこのダウンタウンの画廊を手放したそうで、今まで57Stのドワンのディレクターをしていた人が そこを独立して、受継ぐそうです。このオープニングはちょっと面白いと思いますので、ミユジアムの問題、画廊のダウンタウンへの移行と言ったところと、アメリカ経済の不況との関係を出来るだけ さぐって見たいと思います。
フライ氏と水曜か木曜に会おうと約束していますので 彼から、かなり色々と聞けると思います。それを軸に、もし、クリストがニューヨークへいて 会うチャンスが持てれば、プロジェクト アートへの影響を彼から、聞きたいと思っています。
後、ダウンタウンの画廊主とのインタビューが出来れば、先に書きましたA.A.A.を始め、プリント界の状況、サンフランシスコの画廊と話した事と一緒にして どうにか書けるのではないかと思っています。アポイントメントをとらなければなりませんし、木曜からでないと取材出来ないと思いますので、もし、どうしても三日までに間に合わない時は電話いたします。
近代美術館のFrei Ottoの原稿を書く時間がありませんので 写眞とミユジアムカレンダーの切り抜きを、同封いたします。
では、又、お手紙いたします。乱筆乱文、お許し下さいませ
近藤竜男
川端さんの、原稿用写眞同封いたします。ビル写眞、川端さんのリービングルーム、古川さんのスタジオです。もし出来れば古川さんの写眞、入れて上げて下さいませ。