2月25日(1971年)

1971.2.25

山崎省三様
 大変、ごぶさたいたしてしまい、申訳ございません。
 うちのが在日中は、本当に色々とお世話になり 有難うございました。おかげ様で楽しい時間を持つ事が出来たと 喜こんでおりましたが、お忙しいところを、さぞ ご迷惑をお掛けした事と申訳なく思っております。
 こゝのところ、次の住居の工事がはかどらず、前のアトリエは出なくてはならずで、うちのがニューヨークへ歸った翌日から 古川さんのところへ二人で転がり込むと言った変なことになっております。作品だけは新しい場所で作っておりますが、なかなか思ふようにはかどりません。
 東京画廊の作品は 明日送りますが、毎日現代展の作品を3月10日までに仕上げなければならず、いさゝかまいりました。現代展と東京画廊の展覧会が ともに5月の始め頃になりますので 出来れば、その頃一ヶ月ばかり、歸國したいと思っております。
 お送りした作品は、山崎さんのおっしゃるとうり、フレームは取除いて下さい。(あれは補強のためにつけたものですから)僕の作品への考へを良く理解して下さった事を 大変嬉しく思いました。
 今度の日本発表は、なんとかして良いものを作りたいとは、思いますが うまく行くかどうかは終って見ない事にはわかりません。日本でお会出来る事になりましたら 僕の作品のご感想などお伺いしたく楽しみにしております。
 こゝのところ 東京画廊の山本さん 近美の三木多門さん、みずえにいらした生尾さん、高松君、中里君などが、ニューヨークへみえ、なかなか賑やかです。
 では又 ゆっくりお手紙いたします。
 グッゲンハイム國際展、もし写眞が必要な事でもございましたらご連絡下さいませ。お送りいたします。
 住所は、135 Wooster St. NYC NY U.S.A.でお願いいたします。
近藤竜男
 川端さんの個展のカラースライドをとりましたので同封いたします。なにかの機会にご使用いたゞければ、喜ばれる事と思います。

手紙, 2月25日(1971年), 1971.2.25手紙, 2月25日(1971年), 1971.2.25手紙, 2月25日(1971年), 1971.2.25
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