七月十一日(1961年)
1961.7.11
山崎省三様
大変御無沙汰いたしております。
ニューヨークもいよいよ本格的な夏になり 大変な暑さです。
画廊は 夏はシーズンオフ、皆、クロッスしてしまいます。
今はジャズのシーズンで、マイルス デビス、テロニアス モンク、ジョン コルトレーン、と言った モダン派のそうそうたる顔ぶれが 自分のカルテット、クインテット等をしたがえて、ビレージを中心に、夜中の三時頃まで演奏しています。
今のところ 夜はアルバイト、晝は学校と絵と・・・毎日、なれない土地でアップアップしております。
昨日 中川さん(写眞の方が)川端先生のお宅に見えたそうですが、僕と川端先生がお送りした、今度の個展の資料がついてないのではないかと、先生が心配していらっしゃいます。(中川さんの紹会状では、山崎さんが個展がもう終った事を御存事ないようなので)。僕から、カラーネガ(個展会場)。パーティーと展覧会場のモノクローム。招待状、新聞の切ぬき等。川端さんより、モノクロームの作品写眞をそれぞれ御送りしましたが・・・二十日にまにあうようにと、速達で送ったのですが。
川端先生が資料がついたかどうか、又、芸新に記載するのかどうか聞いて下さいとの事です。
荷物が二ヶ月たってやっと手もとにつき整理に天手古舞しております。
ニューヨークでの出来事の寫眞資料をお送りしようと思いながら、忙がしさのあまり、つい遅れてしまい、申訳ございません。落着きましたら、ぜひお送りしたいと思っております。
ニューヨークは、いったい何が忙がしいんだかわからないのにやたらに皆忙がしいような感じです。こゝ一年は、おそらくアップアップする事でしょう。
では又御手紙いたします。川端先生 奥様より、くれぐれもよろしくお傳へ下さいとの事です。
近藤竜男
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