10月21日(1964年)

山崎省三様
　斉藤様のレコード、2度にわけて御送りいたしました。1枚みつかりませんので、見つけしだい御送りいたします。
　来月始め、ワシントンへ行きますが、コーコラン ギャラリーの日本展のカラー写眞御入用でしょうか? 特に必要な写眞がございましたら、指定いたゞければ写してまいります。
　ワールドスナップの原稿は、このつぎの手紙でお送りいたします。
　ジューシ ミユジアムで現代アメリカ彫刻展をやっていますが写眞を取らしてくれません。ローシェンバークや、ジャスパージョーンズの回顧展、マルボロ ギャラリーのポロックの展覧会の時もそうでしたが、なにか證明書のようなものがあれば、取らしてくれるのではないかと思いますが、口で言ったゞけではだめでした。
　もし、プレスカードのようなものがございましたら、送っていただけると助かるのですが。——　しかし、今のところ、写らせない所はジューシ ミユジアムとクーツ ギャラリー、マルボロ ギャラリーぐらいで、それほど不自由するわけではありません。
　ニューヨークも又活発になって来ました。ニューヨークは、日本で考へるよりは古いたゝづまいの街です。山崎さんもいらしたら、想像されていたのとは又ちがった一面を見つけられる事と思います。僕はアメリカ人はあまりすきになれませんが、ニューヨークはすきです。
　では又、御手紙いたします。
近藤竜男