1月18日(1963年)

1963.1.18

 大変御無沙汰いたしております。良いお年をお迎えの事と存じます。今年のニューヨークは大変に寒く、年末から新年にかけては、0下17.8度まで下りました。ハドソン河がすっかり氷でとざされ ちょっと壮観でした。
 年末からなにかと忙がしく、又、風邪など引いてあまりパッとせづ、原稿も思ふように御送り出来づ、失礼いたしました。
 少々遅くなりましたが 今日、ホイットニーのAnnual Exhibisionの原稿 お送りいたします。ミユジアム モダンアートのゴーキー展、この前お話のあったエッセイも早くお送りしなければと思っております。いつもおくれてばかりで申訳ございません。

 12月12日より、2月の3日まで ニューヨークのホイットニー ミユジアムで開かれている「Annual Exhibision 1962, Contemporary Sculpture and Drawings」展は、日本の秀作展に似た展覧会で その年内中注目された作家の作品を集めて年末から新年にかけて開かれる展覧会である。「絵画」と、「彫刻とドロウイング」とが1年おきに開かれる事になっており、今年は「彫刻とドロウイング」による作品が展示されている。Joseph Cornellが1室を設けて特陳されているほか、彫刻では、ネーベルソン、リプトン、ローゼンタールからチェンバレン、イサム ノグチ、等。ドローイングでは、マーク トビー、フィリップ ガストン、ベン シャーン、マツミ カネミツ、ジャスパー ジョーンズ、ローシェンバーク、等と、現在におけるアメリカ美術界の動きをつぶさに見渡す事が出来る。又、日系作家イサム ノグチが彫刻部門から カネミツ マツミがドローウイング部門から選出されているのも注目される。寫眞はその会場。

手紙, 1月18日(1963年), 1963.1.18手紙, 1月18日(1963年), 1963.1.18
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