6月21日(1967年)
1967.6.21
グッゲンハイム美術館のジョセフ コーネル展
アメリカの異色作家としてこゝ数年来、特に注目を浴び始めている、ジョセフ コーネルの回顧展が、6月25日までグッゲンハイム美術館で開かれている。1903年、ニューヨークのナイアックに生れた彼は その35年を越える作家生活を、15インチ前後の小箱に詰められた オブジェのコンストラクションを作る事に終始している。この回顧展には、1931年から67年までの作品88点が出品されており、いくらかのコラージュをのぞいて、会場はそれらの小箱で占められている。激しく変貌する現代美術の中で、一つの方法を一生探求している作家が、むしろ異狀と見えると言ふ事自体、現代の美術の方向について考へさせられる多くの問題を含んでいる。
山崎省三様
6月21日(1967年)
グッゲンハイムのコーネル展の原稿お送りいたします。コーネルの作品は、ちょっとダダの頃、デュシャンやマンレイなどを感じさせる一面があるためか、もうとっくに死んだ人の作品だと思っている人がよくあります。
日本行の件 手續きの事やら仕事の關係やらで結論を出さなければならづ、結局、8月の9日過ぎにこちらを立ち(タダスキー夫妻と一緒) メキシコ、アメリカ各地を少々を廻って、8月の末に日本に着き 10月末に日本を立つ事にきめました。個展の件 会場が取れなければ、あきらめます。
会場が取れた場合で会期がおくれるようでしたら、出来れば僕だけ滞在を延期するか、それが出来ない時は作品を作って置いて歸っても良いと思っています。お忙しいところを色々無理なお願をして申訳ありません。
マーサー ジャクソンの展覧会は今週でおわります。一点賣れました。ニューヨークタイムスに、ジャニス ギャラリーが2ミリオンの作品を近代美術館に寄附した話が出ていますので同封いたします。画商が商品である絵を寄附するなんて、ちょっと変った話ですね。
では又、お手紙いたします。
近藤竜男
レコードの内訳、同封いたします。