二月二十二日
1972.2.22
山崎省三様
お手紙に原稿用紙有難うございました。ホイットニー アニュアル、ピカソ展、魯山人展の原稿お送りいたします。
ホイットニーのマニュアル ショーは、各世代を均等に展示すると言った 新たな、方針を、カタログでも言っています。新人の良い作家が見あたらないのが致命的ですが、”美術館は、既成作品を展示するべき場”と言った立場がはっきり伺えます。
ミユジアム オブ モダンアートのピカソ展は、ほとんどが見た作品ばかりで、Taped Tour(ミユジアムで用意している作品説明を イヤホーンで聞く機械)をぶらさげた観光客ばかりが、わんさと、つめかけています。
魯山人展、ジャパン ハウス ギャラリー側としては、新聞雑誌が琳派展の時のようには.
大々的に取あげず、陶芸は、クラフトとして、あつかわれてしまふと言ふ事に大変、不満があるようです。アメリカにおいて陶芸を、アートのセクションで取上げさせるためには、かなりの、プッシュが必要でしょう。
斉藤様に、ドビッシーの、プレリュード ブック Ⅰのうち、五番と七番、十一番 十二番、(だったと思います)がラベルのソナチネ等と、入っている「コルトーの芸術」と言ふレコードが出ていると、お伝へ下さい。小品が沢山入っていますが、今 手元にメモがありません。(Seraphim盤です)
池田満寿夫さんが、ニューヨークへ帰って来て、昨日、久しぶりに、のみました。
では又 ゆっくりお手紙いたします。芸新の皆様によろしくお伝へ下さいませ。
二月二十二日
近藤竜男
Picasso in the Collection of The Museum of Modern Art(1972年2月3日-4月2日)
Rosanjin, 20th century master potter of Japan Japan House Gallery Winter Exhibition 1972