Nov. 19. 1986.

1986.11.19

山崎省三様
 エア ポートから、帰国されてから、のお便り、有難とうございました。楽しく、又、勉強になりました一時でしたが、お疲れ出ませんでしたか? 今日は11月19日、ニューヨークでお会いしてから、もう一ヶ月以上が立ったとは。——
 先週のウィーク エンドにギャラリー廻りをして来たところです。クラフト・ミユジアム、立派な会場となりました。ニューヨーク(イースト コースト)において クラフトの分野が、これだけ大きくなったということは、やはり驚きです。この前までは クラフト・ミユジアムは、チャチな会場だったのですから。
 エッセイの最後は、変んな終りかたとなってしまって。—— 本当は小澤さんと、ブーレーズを半分半分(むしろブーレーズを中心に)書くはずで、今年は彼のコンサートに二度行ったりしたのに、途中で脱線してしまいました。
 エッセイでは、山崎さん、山川さんを始め、宮本さんに、大変、御迷惑をお掛けし、お世話になりながら、いまだ、御礼の手紙も書けぬまゝです。山川さんからは、色々おみやげもいたゞいていますのに。——
 エッセイ 連載させていたゞきました事、心より御礼申し上げます。山川さん、宮本さんへも近々お手紙記しますが、どうか、くれぐれもよろしくお伝へ下さいますよう、お願い申し上げます。
 個展が終って帰米したら、さし絵(鉛筆デッサン)、ぽつぽつ続けたく、冬景色は一枚もないし、大雪でも降ったら記録しておこうと思っております。エッセイ、もし本にしていたゞけるのでしたら、色々書き直したり、書き加えたりしたいし、山崎さんがお話し下さいましたデッサンによる展覧会も是非実現させたいし。—— 来春、帰国いたします折には、又、色々とアドバイスいたゞければ、と願っております。
 今度の個展は、実に最後まで迷います。今は[ 作品スケッチ ]弧の2パネルの作品をメインに持って来ようと思っているのですが、これは、グリーンやブルーで作ると弱すぎて、黒ぐらいでないとだめなようです。
 黒っぽい色の作品発表になるかも知れません。
 では、又、来年お目に掛かれます時を楽しみにいたしております。
 おみやげを沢山いたゞきましたこと、色々と御助言下さいましたこと、楽しい日々を過すことが出来ましたこと、本当に有難く、良かったと思い出しております。心から、御礼申し上げます。何かと至りませんでした事、お許し下さいませ。
 立花さん、後で疲れ出ませんでしたか? 写眞の整理だけでも大変ですね。くれぐれもよろしくお伝へ下さい。
 本は、発送が少し遅れ、馬宮さんの原稿が終った翌日、11月7日に3箱に分けて発送いたしました。
近藤竜男

手紙, Nov. 19. 1986., 1986.11.19手紙, Nov. 19. 1986., 1986.11.19手紙, Nov. 19. 1986., 1986.11.19
Tatsuo Kondo CV
Digital Archive