作品

平面-立体-時空

1965年-1969年

近藤は1965年から空間に浮遊する立体作品、ハンギング スカルプチュアーを制作し始めた。更には絵と立体の浮遊物を組み合わせた作品、マユダマのシリーズを。近藤は記した、彫刻ではなくいわゆる”新たな立体”と呼ばれる作品を指向する動向が広く認識されされるようになったのは、おそらくジューイッシュミュージアムが66年に開催したプライマリー ストラクチュアーズ展であり、60年代後半ほど、多くの作家達が立体作品を手掛けた時期というのを私は知らない、と。しかし元々近藤作品には立体への指向が存在する。1958年から61年の作品シリーズに使用された素材は油絵具と石膏、金属、蝋などであり、平面の立体化を企んでいた。マユダマのシリーズは平面と立体と立体の移動で生じる時空変化を取り入れた作品であり、視点は遥かな宇宙であるように感じるのである。

Tatsuo Kondo CV
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